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Japanische Klassiker mit Furigana

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めいあん

明暗

夏目 漱石

Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme

Aozora Bunko

あなたがなぜ行きたがらないか、私にはちゃんと分ってるんです。あなたは臆病なんです。清子さんの前へ出られないんです」

「そうじゃありません。私は……」

「お待ちなさい。――あなたは勇気はあるという気なんでしょう。しかし出るのは見識に拘わるというんでしょう。私から云えば、そう見識ばるのが取りも直さずあなたの臆病なところなんですよ、好ござんすか。なぜと云って御覧なさい。そんな見識はただの見栄じゃありませんか。よく云ったところで、上っ面の体裁じゃありませんか。世間に対する手前と気兼を引いたら後に何が残るんです。花嫁さんが誰も何とも云わないのに、自分できまりを悪くして、三度の御飯を控えるのと同なじ事よ」

津田は呆気に取られた。夫人の小言はまだ続いた。

「つまり色気が多過ぎるから、そんな入らざるところに我を立てて見たくなるんでしょう。そうしてそれがあなたの己惚に生れ変って変なところへ出て来るんです」

津田は仕方なしに黙っていた。夫人は容赦なく一歩進んでその己惚を説明した。

「あなたはいつまでも品よく黙っていようというんです。じっと動かずにすまそうとなさるんです。それでいて内心ではあの事が始終苦になるんです。