Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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めいあん

明暗

夏目 漱石

Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme

Aozora Bunko

「ことによると三人は自分に感じさせない一種の電気を通わせ合っているかも知れない」

今まで避難場のつもりで夫の所へ駈け込もうとばかり思っていた彼女は考えざるを得なかった。

「この分じゃ、ただ行ったっていけない。行ってどうしよう」

彼女はどうしようという分別なしに歩いて来た事に気がついた。するとどんな態度で、どんな風に津田に会うのが、この場合最も有効だろうという問題が、さも重要らしく彼女に見え出して来た。夫婦のくせに、そんなよそ行の支度なんぞして何になるという非難をどこにも聴かなかったので、いったん宅へ帰って、よく気を落ちつけて、それからまた出直すのが一番の上策だと思い極めた彼女は、ついにもう五六分で病院へ行き着こうという小路の中ほどから取って返した。そうして柳の木の植っている大通りから賑やかな往来まで歩いてすぐ電車へ乗った。

百四十四

お延は日のとぼとぼ頃に宅へ帰った。電車から降りて一丁ほどの所を、身に染みるような夕暮の靄に包まれた後の彼女には、何よりも火鉢の傍が恋しかった。彼女はコートを脱ぐなりまずそこへ坐って手を翳した。

しかし彼女にはほとんど一分の休憩時間も与えられなかった。