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Japanische Klassiker mit Furigana

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めいあん

明暗

夏目 漱石

Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme

Aozora Bunko

ヒステリーじゃあるまいし」

「じゃ行ってもいいかい」

「よござんすとも」と云った時、お延は急に袂から手帛を出して顔へ当てたと思うと、しくしく泣き出した。あとの言葉は、啜り上げる声の間から、句をなさずに、途切れ途切れに、毀れ物のような形で出て来た。

「いくらあたしが、……わがままだって、……あなたの療養の……邪魔をするような、……そんな……あたしは不断からあなたがあたしに許して下さる自由に対して感謝の念をもっているんです……のにあたしがあなたの転地療養を……妨げるなんて……」

津田はようやく安心した。けれどもお延にはまだ先があった。発作が静まると共に、その先は比較的すらすら出た。

「あたしはそんな小さな事を考えているんじゃないんです。いくらあたしが女だって馬鹿だって、あたしにはまたあたしだけの体面というものがあります。だから女なら女なり、馬鹿なら馬鹿なりに、その体面を維持して行きたいと思うんです。もしそれを毀損されると……」

お延はこれだけ云いかけてまた泣き出した。あとはまた切れ切れになった。

「万一……もしそんな事があると……岡本の叔父に対しても……叔母に対しても……面目なくて、合わす顔がなくなるんです。