Japanische Klassiker mit Furigana
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めいあん
明暗
Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme
女は慰撫さえすればどうにかなる」。彼は今得たばかりのこの新らしい断案を提さげて、お延に向った。
「行ってもいいんだよ。いいどころじゃない、実は行って貰いたいんだ。第一一人じゃ不自由だからね。世話をして貰うだけでも、その方が都合がいいにきまってるからね」
「ああ嬉しい、じゃ行くわ」
「ところがだね。……」
お延は厭な顔をした。
「ところがどうしたの」
「ところがさ。宅はどうする気かね」
「宅は時がいるから好いわ」
「好いわって、そんな子供見たいな呑気な事を云っちゃ困るよ」
「なぜ。どこが呑気なの。もし時だけで不用心なら誰か頼んで来るわ」
お延は続けざまに留守居として適当な人の名を二三挙げた。津田は拒めるだけそれを拒んだ。
「若い男は駄目だよ。時と二人ぎり置く訳にゃ行かないからね」
お延は笑い出した。
「まさか。――間違なんか起りっこないわ、わずかの間ですもの」
「そうは行かないよ。けっしてそうは行かないよ」
津田は断乎たる態度を示すと共に、考える風もして見せた。
「誰か適当な人はないもんかね。手頃なお婆さんか何かあるとちょうど持って来いだがな」
藤井にも岡本にもその他の方面にも、そんな都合の好い手の空いた人は一人もなかった。