Japanische Klassiker mit Furigana
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めいあん
明暗
Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme
京都にいるお父さんかお母さんへ尻を持ち込むよりほかに、苦情の持ってきどころはないんだから」
苦笑したお延はまだ黙らなかった。
「いいから、今に見ていらっしゃい」
「何を」と訊き返した津田は少し驚ろかされた。
「何でもいいから、今に見ていらっしゃい」
「見ているが、いったい何だよ」
「そりゃ実際に問題が起って来なくっちゃ云えないわ」
「云えないのはつまりお前にも解らないという意味なんじゃないか」
「ええそうよ」
「何だ下らない。それじゃまるで雲を掴むような予言だ」
「ところがその予言が今にきっとあたるから見ていらっしゃいというのよ」
津田は鼻の先でふんと云った。それと反対にお延の態度はだんだん真剣に近づいて来た。
「本当よ。何だか知らないけれども、あたし近頃始終そう思ってるの、いつか一度このお肚の中にもってる勇気を、外へ出さなくっちゃならない日が来るに違ないって」
「いつか一度? だからお前のは妄想と同なじ事なんだよ」
「いいえ生涯のうちでいつか一度じゃないのよ。近いうちなの。もう少ししたらのいつか一度なの」
「ますます悪くなるだけだ。近き将来において蛮勇なんか亭主の前で発揮された日にゃ敵わない」