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Japanische Klassiker mit Furigana

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めいあん

明暗

夏目 漱石

Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme

Aozora Bunko

「あの蟇口の中にゃ少しっきゃ入っていないんだね。もう少しあるのかと思ったら」

津田はそう云いながら腋に抱えた包みを茶の間の畳の上へ放り出した。

「足りなくって?」

お延は細かい事にまで気を遣わないではいられないという眼つきを夫の上に向けた。

「いや足りないというほどでもないがね」

「だけど何をお買いになるかあたしちっとも解らないんですもの。もしかすると髪結床かと思ったけれども」

津田は二カ月以上手を入れない自分の頭に気がついた。永く髪を刈らないと、心持番の小さい彼の帽子が、被るたんびに少しずつきしんで来るようだという、つい昨日の朝受けた新らしい感じまで思い出した。

「それにあんまり急いでいらっしったもんだから、つい二階まで取りに行けなかったのよ」

「実はおれの紙入の中にも、そうたくさん入ってる訳じゃないんだから、まあどっちにしたって大した変りはないんだがね」

彼は蟇口の悪口ばかり云えた義理でもなかった。

お延は手早く包紙を解いて、中から紅茶の缶と、麺麭と牛酪を取り出した。

「おやおやこれ召しゃがるの。そんなら時を取りにおやりになればいいのに」

「なにあいつじゃ分らない。