Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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めいあん

明暗

夏目 漱石

Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme

Aozora Bunko

「そりゃ解ってるよ」

「いや解らない。軽蔑の結果はあるいは解ってるかも知れないが、軽蔑の意味は君にも君の細君にもまだ通じていないよ。だから君の今夕の好意に対して、僕はまた留別のために、それを説明して行こうてんだ。どうだい」

「よかろう」

「よくないたって、僕のような一文なしじゃほかに何も置いて行くものがないんだから仕方がなかろう」

「だからいいよ」

「黙って聴くかい。聴くなら云うがね。僕は今君の御馳走になって、こうしてぱくぱく食ってる仏蘭西料理も、この間の晩君を御招待申して叱られたあの汚ならしい酒場の酒も、どっちも無差別に旨いくらい味覚の発達しない男なんだ。そこを君は軽蔑するだろう。しかるに僕はかえってそこを自慢にして、軽蔑する君を逆に軽蔑しているんだ。いいかね、その意味が君に解ったかね。考えて見たまえ、君と僕がこの点においてどっちが窮屈で、どっちが自由だか。どっちが幸福で、どっちが束縛を余計感じているか。どっちが太平でどっちが動揺しているか。僕から見ると、君の腰は始終ぐらついてるよ。度胸が坐ってないよ。厭なものをどこまでも避けたがって、自分の好きなものをむやみに追かけたがってるよ。