Japanische Klassiker mit Furigana
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めいあん
明暗
Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme
「おれに何の不都合がある。彼奴さえいなければ」
彼はこう云って想像の幕に登場した小林を責めた。そうして自分を不面目にするすべての責任を相手に背負わせた。
夢のような罪人に宣告を下した後の彼は、すぐ心の調子を入れ代えて、紙入の中から一枚の名刺を出した。その裏に万年筆で、「僕は静養のため昨夜ここへ来ました」と書いたなり首を傾けた。それから「あなたがおいでの事を今朝聴きました」と付け足してまた考えた。
「これじゃ空々しくっていけない、昨夜会った事も何とか書かなくっちゃ」
しかし当り障りのないようにそこへ触れるのはちょっと困難であった。第一書く事が複雑になればなるほど、文字が多くなって一枚の名刺では事が足りなくなるだけであった。彼はなるべく淡泊した口上を伝えたかった。したがって小面倒な封書などは使いたくなかった。
思いついたように違い棚の上を眺めた彼は、まだ手をつけなかった吉川夫人の贈物が、昨日のままでちゃんと載せてあるのを見て、すぐそれを下へ卸した。彼は果物籃の葢の間へ、「御病気はいかがですか。これは吉川の奥さんからのお見舞です」と書いた名刺を挿し込んだ後で、下女を呼んだ。