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Japanische Klassiker mit Furigana

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めいあん

明暗

夏目 漱石

Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme

Aozora Bunko

「病院へいっしょに入りたいなんて気楽な事をいうかと思うと、やれ髪を刈れの湯に行けのって、叔母さんよりもよっぽどやかましい事を云いますよ」

「感心じゃないか。お前のようなお洒落にそんな注意をしてくれるものはほかにありゃしないよ」

「ありがたい仕合せだな」

「芝居はどうだい。近頃行くかい」

「ええ時々行きます。この間も岡本から誘われたんだけれども、あいにくこの病気の方の片をつけなけりゃならないんでね」

津田はそこでちょっと叔母の方を見た。

「どうです、叔母さん、近い内帝劇へでも御案内しましょうか。たまにゃああいう所へ行って見るのも薬ですよ、気がはればれしてね」

「ええありがとう。だけど由雄さんの御案内じゃ――」

「お厭ですか」

「厭より、いつの事だか分らないからね」

芝居場などを余り好まない叔母のこの返事を、わざと正面に受けた津田は頭を掻いて見せた。

「そう信用がなくなった日にゃ僕もそれまでだ」

叔母はふふんと笑った。

「芝居はどうでもいいが、由雄さん京都の方はどうして、それから」

「京都から何とか云って来ましたかこっちへ」

津田は少し真剣な表情をして、叔父と叔母の顔を見比べた。