Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
めいあん
明暗
Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme
その外套の裏側に滲み込んでくるひんやりした感じを、はっきり指先で味わって見た彼は小林を顧みた。
「日中は暖かだが、夜になるとやっぱり寒いね」
「うん。何と云ってももう秋だからな。実際外套が欲しいくらいだ」
小林は新調の三つ揃の上に何にも着ていなかった。ことさらに爪先を厚く四角に拵えたいかつい亜米利加型の靴をごとごと鳴らして、太い洋杖をわざとらしくふり廻す彼の態度は、まるで冷たい空気に抵抗する示威運動者に異ならなかった。
「君学校にいた時分作ったあの自慢の外套はどうした」
彼は突然意外な質問を津田にかけた。津田は彼にその外套を見せびらかした当時を思い出さない訳に行かなかった。
「うん、まだあるよ」
「まだ着ているのか」
「いくら僕が貧乏だって、書生時代の外套を、そう大事そうにいつまで着ているものかね」
「そうか、それじゃちょうど好い。あれを僕にくれ」
「欲しければやっても好い」
津田はむしろ冷やかに答えた。靴足袋まで新らしくしている男が、他の着古した外套を貰いたがるのは少し矛盾であった。少くとも、その人の生活に横わる、不規則な物質的の凸凹を証拠立てていた。しばらくしてから、津田は小林に訊いた。