Japanische Klassiker mit Furigana
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めいあん
明暗
Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme
ずっとひどいのは、まるで紙屑買としか見えなかった。腹掛股引も一人交っていた。
「どうだ平民的でいいじゃないか」
小林は津田の猪口へ酒を注ぎながらこう云った。その言葉を打ち消すような新調したての派出な彼の背広が、すぐことさららしく津田の眼に映ったが、彼自身はまるでそこに気がついていないらしかった。
「僕は君と違ってどうしても下等社界の方に同情があるんだからな」
小林はあたかもそこに自分の兄弟分でも揃っているような顔をして、一同を見廻した。
「見たまえ。彼らはみんな上流社会より好い人相をしているから」
挨拶をする勇気のなかった津田は、一同を見廻す代りに、かえって小林を熟視した。小林はすぐ譲歩した。
「少くとも陶然としているだろう」
「上流社会だって陶然とするからな」
「だが陶然としかたが違うよ」
津田は昂然として両者の差違を訊かなかった。それでも小林は少しも悄気ずに、ぐいぐい杯を重ねた。
「君はこういう人間を軽蔑しているね。同情に価しないものとして、始めから見くびっているんだ」
こういうや否や、彼は津田の返事も待たずに、向うにいる牛乳配達見たような若ものに声をかけた。