Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ひのとびら

火の扉

岸田 国士

Leggi 火の扉 (ひのとびら) di 岸田 国士 (きしだくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.467 caratteri · 257 schermate

Aozora Bunko

五

ペダルを踏むことはいらなかつた。

彼女はふと浜島茂のやせ衰えた姿を想像した。

五

北原ミユキの両親は諏訪湖の西南にあたるS村に住んでいた。したがつて、彼女はひとり勤めさきのH村で農家の離れを借りて自炊をしているのである。戦争中は疎開者がこの村へも殺到して、彼女は一度ならず追い立てを食おうとしたのだが、なんとか理くつをつけて今までがんばりどおした。いゝ顔をされたければ間代さえ余計に払えば簡単なのだとはわかつているけれども、給料だけの生活ではそうもいきかねるから、居ごこちはあまりよくない。彼女の実家も代々農業とはなつているが、父は早くからわずかの土地を小作に委ね、自分はあちこちの事業に手を出して当つたとか外れたとかいつている。だから、農家とはどんなものという観念が彼女にちつともないわけではないのに、この土地がとくにそうなのか、お百姓なるものゝ性格に彼女は同情がもてない。欲張りやがん固やうそつきは世間の到るところにいるわけだが、それをおかしいほど意識していないのが彼等の特徴で、どうかすると、それらの悪徳が機械的と思われるほど不必要に彼等の生活のなかに根を張つている有様は、どうにも手のつかぬ、グロテスクな世界である。