Classici giapponesi con furigana
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ひのとびら
火の扉
岸田 国士
Leggi 火の扉 (ひのとびら) di 岸田 国士 (きしだくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.467 caratteri · 257 schermate
七
七
そこで、市ノ瀬牧人は、彼女の方へ急に向き直つて、言つた――
「いゝとこへ気がついたなあ。それごらん、それが、わしどもの恋愛つてやつさ。そんな恋愛は犬にくわれろだ。わしは、しかし、先生がそれだけの女だとは思つとらんに。そこへ気のつく女は、たいしたもんだに。それじや、ひとつ、心を入れかえて、まともな恋愛をだれかとしてみんかね?」
「じようだんじやないわ」
と、北原ミユキは、ぷりつとしてみせる。が、思い出したように――
「わたし、ほんとは、浜島がかわいそうなの。かわいそうでかわいそうでしかたがないのよ。でも、やつぱり、そういう罪を犯したんだと思うと、腹がたつて、くやしくつて、はずかしくつて……。それだのに、なんだか、まだ、うそのような気がして、ほんとのあの人は、そんなことゝ関係なく、ちやんとどつかにいるような気がして……その浜島に、あたしは、もう一度会いたくつて、会いたくつて、しようがないの。二十年待てば会えるんだわ。もつと早く会えるかも知れないわ。どんなことだつて、ないとは限らないんですもの……」
ほとんど独りごとのように、彼女は、しやべりつゞける。
市ノ瀬牧人は、あわれむように、その言葉にきゝ入つていたが、とつぜん、