Classici giapponesi con furigana
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ひのとびら
火の扉
岸田 国士
Leggi 火の扉 (ひのとびら) di 岸田 国士 (きしだくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.467 caratteri · 257 schermate
二
いろりには大なべがたぎり、すゝけた天井から煙が舞いおりている。
市ノ瀬牧人は、よほど懇意な間がらとみえ、つか/\といろりばたへあがつて、なべの中をのぞいてみたりしている。
「ウサギじるをたのんどいたんだが、どんなあんばいかな。さあ、こつちへあがつてください」
この家の主人は炭焼きが本職で、猟もするのだと聞かされて、井出康子は、やつと、このもてなしの意味がわかつた。
飯もたいてあるというので、彼女は出しかけた弁当の始末に迷つた。
が、ともかくも、風変りな昼食であつた。ドンブリには、骨ぐるみぶつ切りにしたウサギの肉が山盛りに盛られた。
「どうです。加減は?」
「とてもけつこう。だけど、この分量はちよつと……。ねえ、トムちやん」
と、彼女は、ひとくちしるを吸つたあとで、はしのつけようがないという顔をした。
二
こいつは、とてもはしではだめだということになり、みんな手づかみでやりはじめた。それは彼女がお手本を示したのだから、市ノ瀬牧人はよろこんだ。
「こいつは愉快だ。さつきなべをのぞいてみて、奥さんにはどうかなと思つたんだ。これで安心した」
「あら、こういうお料理は指をつかうのが本当なのよ。