Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ひのとびら

火の扉

岸田 国士

Leggi 火の扉 (ひのとびら) di 岸田 国士 (きしだくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.467 caratteri · 257 schermate

Aozora Bunko

息子のモトムを学校へ送りだして、朝のかたづけものを終つたあとである。

「ご親切はほんとにありがたいんですけれども、あたしすこし考えがあつて、子供と二人きりでなんとかやつていきたいんですの」

「それがですよ、ねえさん、時機が時機ならぼくも反対しませんよ。今はとても女一人で生活をたてるなんていうことは、まつたく空想ですよ。兄貴の遺書には、なるほど、ねえさんは自由な行動をとれとありました。その意味が、ぼくにはよくわからないんですが、これは察するところ、ねえさんの立場を考えてですよ、親せきの無理解な強制をあくまでもしりぞけるという、含みをもたせた一言だと思うんです。母と百々子のことをぼくに面倒をみろと言つてあるのも、そのためじやないですか。それはむろん、兄貴に言われなくつたつて、ぼくの当然の義務ですから、ちつとも文句はないんですが、逆に、ねえさんとモトムのことは、兄貴に頼まれなければ知らん顔ができるかと言えば、決してそんなことはできない。それも生活の問題がなければ、別にぼくなんかの立入る筋じやないと思うけれども、現に……」

「えゝ、ですから、そういうご心配をいつさいかけないようにやつてごらんにいれます。