후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
おうしゅうきこう
欧洲紀行
横光 利一
横光 利一의 欧洲紀行(おうしゅうきこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 120,107자 · 241화면
人間の資本は金だということ――この簡単なことが、この巴里へ来て初めて分る。われわれは、資本を金だと容易に思えるものじゃない。文化の頂上というものは至極透明なものだ。洞察などという厄介なものは、不用で経済の割に合わぬ。ここでは何もかも向うが透いて見える。こんなガラス製の家の中では、人間の心はどこへ置いて良いものか誰だって迷うのだ。恐らく道徳もわれわれの想像したものとはよほど縁遠いものにちがいあるまい。
第一自由というものが、たしかにわれわれの考えていたものとは違っている。縦横無尽の格律の上に、滑かに辷る厳格な法規の活用が自由である。しかし、整然とした威儀を正した食卓で、紳士淑女がなに一つ非の打ち所のない典雅さでフォークを使っている真最中に於てでも、いきなりパンだけは手掴みだ。パンだけは別だ。という心使いがまだまだヨーロッパの文化を支持しているのである。それともこれだけは忘れているのかもしれぬ。しかし、日本は、もうこんなところは清算した時代がわれわれの知らぬ昔にあったのではないか。
誰も彼もドイツとの戦争がいつ起るかを問題にしている。しかも、この次の戦争では伝統などという誇りは吹き飛んでしまうのだ。