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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
吉川英治『三国志(七)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。
N1 · 挑战 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 页
二
蜀の北境)まで四百余里という道中の次々には駅舎を設け、官の糧倉を建て、商工業の振興と交通の便を促進するなど、着々その実をあげていた。
もとよりこういう治民経世の策はその一切が孔明の頭脳から出ていたといってよい。孔明はかかる忙しい中に、荊州からの急使をうけたのである。即ち、魏の曹仁が、突如、堺を侵して、荊州へ行動を起してきた――と。
「関羽がおります。ご心配には及びますまい」
漢中王の驚愕をなだめて、彼は常とかわりなく、沈着にその事を処置した。
二
司馬費詩は、孔明の旨をうけて、荊州へ急行した。
関羽に会うと、彼は、漢中王の王旨であるといって、
「荊州の運命は、いまや将軍の一肩にある。よろしく州中の兵を起して、ただ守るにとどまらず、敵の樊城をも攻め奪られよ」と、伝えた。
関羽は、自分を信頼してくれる玄徳の依然として篤い知遇に感泣した。けれど、その任の重大にしてかつ困難なことにも思い到らざるを得なかった。
費詩はまた言を重ねて、
「ついてはこの機に、閣下をも、五虎大将軍の一人に列せられました。ありがたく印綬をおうけ下さい」と、いった。
関羽は例の朴訥な気性からむっとした容子で、