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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

吉川英治『三国志(七)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。

N1 · 挑战 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 页

青空文庫

七軍魚鼈となる

一

まずまずおもむろに機を待つとしよう」と、容易に※(「广+龍」、第3水準1-94-86)徳のすすめに賛成する気色もない。のみならず、その後、例の七手組の諸将を樊城の北十里の地点に移し、于禁自身は、中軍をもって、正面の大路に進撃を構え、※(「广+龍」、第3水準1-94-86)徳の手勢は、しごく出足のわるい山のうしろへ廻してしまった。――こういう指令を出した点から考えると、やはり彼の内心には、※(「广+龍」、第3水準1-94-86)徳ひとりに功をとられてしまうことを、ひどく警戒しているものと思われる。

七軍魚鼈となる

一

父の矢創も日ましに癒えてゆく様子なので、一時はしおれていた関平も、

「もう心配はない。この上は一転して、攻勢に出で、魏の慢心を挫ぎ、わが実力の程を見せてくれねばならん」と、帷幕の人々と額をあつめて作戦をねっていた。

ところが魏軍はにわかに陣容を変えて、樊城の北方十里へ移ったという報告に、

「さては早くも蜀の攻勢を怖れて、布陣を変えたとみえる」

と、軽忽を戒め合って、すぐその由を関羽に告げた。

「どう陣立てを変えたか? ――」を見るべく、関羽は高地へ登って、遥かに手をかざした。