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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

吉川英治『三国志(七)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。

N1 · 挑战 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 页

青空文庫

敗将

一

その上、退路も絶たれる様子に、このまま手間取っては、一命も危うしと感じたか、寸隙をねらって、馬に一鞭をあたえて逃げてしまった。

張飛は、この優位逃すべからずと、全軍になおも追撃をゆるめるなと号令して、遮二無二突進した。

敗将

一

張飛の軍勢はすさまじい勢いで進撃した。魏延、雷同を両翼とした態勢もよかったのだ。逃げ足立った敵を追いまくり、切りふせ、蹴ちらして、凱歌は到るところにあがった。

張が自信満々に構えた三ヵ所の陣は、またたく間に打ち破られ、三万余騎の兵力も、遂に二万余人を失って、張※(「合+おおざと」、第4水準2-90-10)自身、かろうじて瓦口関(四川省)にまで落ちのびて行った。

痛快極まる勝ち戦は、張飛の鬱積を吹きとばして、なおあまりがあった。早速に早馬を仕立てさせ、使者を成都の玄徳に送った。

玄徳の喜悦もまたひとしおで、

「孔明の明や深遠、清澄。中の勝報、わが想外にあり。善い哉、善い哉」と、膝をうった。

瓦口関にまで逃げた張は、悲鳴をあげ、曹洪に救援をもとめた。

曹洪はこの報らせをうけると、烈火の如く怒って、

「張※(「合+おおざと」、第4水準2-90-10)わが命を用いず、なまじ自信をもった戦をして、要害を奪われたのだ。