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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
吉川英治『三国志(七)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。
N1 · 挑战 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 页
二
蛮境の乱は、たとえば癬疥という腫物のようなもので、気にすればうるさい病だが、ほうっておけばまたいつのまにか癒るものである。――何とかお考え直しはなりませぬか」と、しきりに止めた。
二
王連の忠言に対して、孔明はその好意を謝しながらも、なおこう云って初志をかえなかった。
「仰せはごもっともですが、南蛮の地は、不毛瘴疫、文明に遠く、わけて土民は王化に浴せず、これを統治するには、ただ武力だけでも難く、また利徳に狎れしめてもいけません。剛に柔に、武と仁と、時に応じて万全を計るには、やはり私自身が征かねばなりますまい。決して、孔明が小功を誇らんために望む次第ではありませぬ」
王連もなお再三諫めたが、孔明は敢えてしたがわず、即日、数十名の大将を選んで、各部に分け、総軍五十余万、益州南部へ発向した。
その途中で、関羽の三男で、関興の弟にあたる――関索がただ一騎で参加した。
「今までどこにおられしか」
と、孔明は怪しみもし、また涙をたたえて云った。なぜならば、荊州陥落のとき、父関羽の手についていたので、今日まで、戦死と確認されていた者だからである。
「荊州の敗れた折、私は身に深傷を負い、鮑氏の家に匿まわれておりました。