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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
吉川英治『三国志(七)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。
N1 · 挑战 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 页
三
ために張蘊はよけいに思い上がって、蜀の百官をしり眼に見くだし、殿に上っては、劉禅皇帝の左に坐して、傲然、虎のような恰好をしていた。
三日目には彼のための歓迎宴が成都宮の星雲殿にひらかれた。この晩も、張蘊は傍若無人に振る舞っていたが、孔明はいよいよ重く敬って、その意のままにさせていた。
三
酒、半酣の頃、孔明は張蘊に向って、
「先帝の遺孤劉禅の君も、近ごろ宝位につかれ、陰ながら呉王の徳を深くお慕い遊ばされておる。どうかご帰国の上は、呉王に奏してわが蜀と長久の好誼をむすび、共に魏をうって、共栄の歓びをわかたん日の近きに来るように、あなたからも切におすすめ下さるよう、ご協力のほど、かくの如くお願い申しあげる」と、あくまで辞を低く、礼を篤く、くり返していった。
「ウむ。……まあ、どういうことになるか」
張蘊は眼を斜めにして、そういう孔明を見やりながら、わざとほかへ話をそらしては、大人を気どって、傲慢な笑い方をしていた。
いよいよ帰る日となると、朝廷からはおびただしい金帛が贈られ、孔明以下、文武百官もみな錦や金銀を餞別けた。
張蘊はほくほく顔だった。そして孔明の邸宅における最後の晩餐会にのぞんだところが、酒宴の中へ、ひとりの壮漢がずかずか入ってきて、