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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

吉川英治『三国志(七)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。

N1 · 挑战 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 页

青空文庫

二

(……怪しからん)と、不満に思った。曹家は自分が嗣ぐべきであるときめているからだ。中大夫の賈をそっと招いて、何かと相談した。

「……こうなさいませ」

賈※(「言+栩のつくり」、第3水準1-92-6)はささやいた。その後、曹操が遠い軍旅に立つ時がきた。三男の曹植は、詩を賦して、父との別れを惜しんだ。

だが曹丕は、賈※(「言+栩のつくり」、第3水準1-92-6)にいわれたとおり、ただ城外まで見送りに立って、涙をふくみ、黙然、父が前を通るとき、眸をこらして見送った。

曹操は、あとで考えた。

「詩は巧み、珠玉の字をつらねているが、曹植のその才よりも、曹丕の無言のほうが、もっと大きな真情をもっているのじゃないかな?」

それから彼の子をみる眼がまたすこし変った。

二

曹丕はその後も、父曹操の近習たちへ、特に目をかけて、金銀を与えたり、徳を施したり、歓心を得ることにぬかりなく努めたので、

「ご嫡男にはもう仁君の徳を自然に備えておいで遊ばされる」

と、もっぱら彼の評判はよかった。

曹操もやがて、すでに魏王の位にも昇ると世嗣のことが、彼の意中にさし迫る問題となっていた。そこである時、思いあまって、賈※(「言+栩のつくり」