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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
吉川英治『三国志(七)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。
N1 · 挑战 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 页
七
怪しからん」
と丞相府へやってきて、孔明に膝詰めで談じつけたのである。
「自らいうのは口はばったいが、先帝のときより、陣に臨んで退いたことなく、敵におうては先に馳けずということなき趙子龍である。老いたりといえ、近頃の若者などには負けぬつもりだ。大丈夫と生れて、戦場に死ぬはこの上もない身の倖せ。――丞相はかくいう趙雲の晩節をあえて枯木の如く朽ちさせんおつもりであるか」
これには孔明も辟易した。強いて止めるならば、只今この所において、自ら首を刎ねて亡ぶべし、ともいうのである。
「それ程までにお望みなれば、お止めいたすまい。しかし、私の選ぶ一人の副将をお連れなさい」
「もとより副将を伴うには異存はない。――して、それは誰ですか」
「中鑒軍の芝です」
「※(「登+おおざと」、第3水準1-92-80)芝ならば」と、趙雲もよろこんだ。――で孔明は、編制の一部をかえて、趙雲と※(「登+おおざと」、第3水準1-92-80)芝に精兵五千をさずけ、べつに戦将十人を付与して、前部大先鋒軍となし、大軍の立つ一日さきに、成都を出発させていたものであった。
何しても、このような大規模の軍隊が国外へ立つことは成都初めてのことなので、この日、市民は業を休んで歓送し、街門までの予定で見送りに出られた後主劉禅も、名残りを惜しんで、百官とともに、ついに