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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

吉川英治『三国志(七)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。

N1 · 挑战 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 页

青空文庫

三

三

管輅はかたく召しを拒んだ。けれど許芝が再三の懇望と、魏王の命というのにもだし得ず、ついに伴われて、曹操の前に出た。

曹操は、まずいった。

「卜聖。ひとつ予のために、予の人相を卜って観てくれぬか」

管輅は笑って答えた。

「大王はすでに位人臣を極めたお人。何の今さら、相を観る余地がありましょう」

「しからば、予の病について卜え。何か妖者の気でも祟っているのではないか。そのへんのことをひとつ」

と、彼は近頃しきりに気になっている左慈の事件を仔細にはなした。

すると管輅はなお笑って、

「それはみな世にいう幻術というものです。幻語幻気を吐いて、巧みに人の心眼を惑わし、即妙の振舞をして見せるものですが、もとより実相のものには非ず、大王何ぞ御心に病むことやある。奇妙というにも足らないではありませんか」と、いった。

曹操は急に気のはれ上がったような顔をした。本来の彼の知識も彼を醒ました。

「いや、そうか。そういわれてみると、濛気の開けるような心地がする。――さらば、小さな私事を離れて、さらに大きな問題についてたずねたいが、いったい将来の天下はどうなるだろう」

「茫々たる天数、何で、小さい人智を以て、測り得ましょう。