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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
吉川英治『三国志(七)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。
N1 · 挑战 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 页
三
弱冠、生死の迷妄を捨て、百戦苦闘、今日を築いてきながら、その精神と節操を、門の飾りや往来の見得などと取替えるなどは、実につまらぬ人生の落ちではありませんか」
涙をふくんで諫めると、曹操はぷいと席を去って、
「おいおい、董昭をよべ」と、近侍へいいつけながら、大歩して去ってしまった。
以来、荀※(「或」の「丿」に代えて「彡」、第3水準1-84-30)は、病と称して、自邸にひき籠ってしまった。建安十七年冬十月、いよいよ南下の大軍は都を出ることになったが、彼はなお、曹操から呼びに来ても、
「このたびはお供できません」
と、参加を辞した。
ついに、使者が来た。
「魏公からのお見舞いである」
と、使者は、食物の入っている一器を彼の前に贈った。
見ると、器の上には、「曹操親ラ之ヲ封ス」という紙がかけてある。あとで開いてみると、器の中には何も入っていなかった。
「お気持は分った。……ああ」
荀は、その夜、自ら毒をのんで死んだ。
三
すでに南征の大軍は、水陸から続々と呉へ下っていた。
途中、曹操へ、都から知らせがあった。
「荀※(「或」の「丿」に代えて「彡」、第3水準1-84-30)が毒をのみました」