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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
吉川英治『三国志(七)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。
N1 · 挑战 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 页
二
、第3水準1-91-82)は万一を思って、親衛軍中の屈強五百騎をひきいてそれを追いかけた。
左慈のすがたに追いついた。
飄乎として、彼方へ、びっこをひいてゆくのが見える。――にもかかわらず、いかに悍馬に鞭打っても、少しもその後ろ姿に近づくことができなかった。
二
やがて、山の麓へ来た。
とうてい、追いつくべくも見えないので、許は、部下の五百騎に、
「射止めろ。弓で」と、大汗で励ました。
五百弓の弦がいちどに鳴った。ところが、彼方の左慈の姿は矢のさきに消えて、悠々と、地上に遊んでいる白雲の如き羊の群れだけがあった。
「てッきり、この中にいる」と、許※(「ころもへん+睹のつくり」、第3水準1-91-82)は、そこへ来るや否、数百の羊を、一匹のこらず打ち殺した。
そして、引っ返してくるとその途中、おいおいと泣いている一人の童子に会った。
「こら、子供。何を悲しむか」
許※(「ころもへん+睹のつくり」、第3水準1-91-82)が訊ねると、童子は恨めしそうに、
「おらの飼っている羊を、自分の手下にみな殺させておきながら、何を悲しむかもないもんだ。ばかやろう」
童子は、罵って、逃げだした。