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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

吉川英治『三国志(七)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。

N1 · 挑战 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 页

青空文庫

二

――玄徳が常に似合わずよく飲むので、※(「广+龍」、第3水準1-94-86)統は心配していたが、そのあいだに、かねて云い含めておいた通り、関平、劉封の二人は、席を抜けて、外にいた三百余の関門兵を、遠くへ引退がらせてしまった。

そして引返すと二人は幕の陰からおどり出て、

「刺客っ。神妙にしろ」

と、不意に、楊懐を蹴とばし、高沛に組みついて、うしろ手に縛りあげてしまった。

「何をするかっ。客に対して」

楊懐が、威猛高に吼えると、関平は彼のふところを探って、秘していた短剣を取りあげた。高沛のふところからも短剣があらわれた。

「これを何に使うつもりで来たか」

と、突きつけると、

「剣は武人の護りだっ」

と、屈せずにいう。

関平、劉封は共に腰なる長剣を抜いて、

「武人の護りとは、こういう正々堂々の剣をいうのだ。この護りは、以て、卑劣なる汝ら害獣を天誅するために研がれている。さ、斬れ味をみろ」

と、幕外へひき出して、有無をいわせず、二つの首を落してしまった。

二

「わが君。何を無言にふさぎこんでおられますか」

「今、ここでともに酒をのんでいた高沛、楊懐がもう首になったかと思うと、あまり快い気がしない」