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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

吉川英治『三国志(七)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。

N1 · 挑战 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 页

青空文庫

綿竹へ着いた日も、ここは合戦で、蜀の劉、馬漢の二将がさかんに攻めている最中だった。

にもかかわらず、留守していた黄忠や趙雲は、常と変らず出迎えに出たのみか、城中には、盛宴を張って、

「おめでとう存じます」と、玄徳に凱旋の賀をのべた。

そのうちに趙雲が、

「ちょっと、中座いたします」

と、杯をおいて、城外へ出て行ったと思うと、やがて敵将馬漢と劉※(「日+俊のつくり」、第3水準1-85-27)の首をひッさげて来て、

「賀宴のおさかなに」と披露した。

一堂の将はみな手をたたいた。馬超もこの中にいたので、

「ああ、さすがに英傑がいる」と、ひそかに舌をまいて愕きもし、また、こういう英雄たちの仲間に加わった自分の生きがいも大きくした。

そこで、馬超は、玄徳に向って、

「ご奉公の手始めに、私と、私の従弟の馬岱と、ふたりして成都におもむき、劉璋に会って、張魯の野心を語り、また漢中の内情を告げ、劉皇叔の兵と戦うことの愚かなることをよく説いてみたら――と思いますがどうでしょうか」と、進言した。

玄徳は、孔明に諮れという。孔明は、賛成した。そして教えた。

「もし劉璋が、君の言に服さなかったときは、こうこうし給え」