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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

吉川英治『三国志(七)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。

N1 · 挑战 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 页

青空文庫

と、促した。

宵に出て、夜半頃、この蜿蜒たる輜重の行軍は、褒州の難所へかかった。すると谷間から、一軍の蜀兵が、突貫して来た。

「敵は下の渓にいる。岩石を落してみなごろしにしろ」

地の利をとって戦う気でいるといずくんぞ知らん、自分たちの頭の上から先に岩や石ころが落ちてきた。

伏兵は、山の上下にいる。寸断された百足虫のように、輜重車は、なだれくだって、谷間のふところへ出た。ここにも待っていた一隊の敵があった。許※(「ころもへん+睹のつくり」、第3水準1-91-82)の影を見かけるや否、その敵将は、迅雷一電、

「許※(「ころもへん+睹のつくり」、第3水準1-91-82)っ。さあ来いっ」

大矛をさしのべて、許※(「ころもへん+睹のつくり」、第3水準1-91-82)の肩先を突いた。

不覚にも許※(「ころもへん+睹のつくり」、第3水準1-91-82)は、戦わないうちに、痛手をうけたのみか、どうと馬からころげ落ちた。

張飛の二の矛が、飛龍のごとくそれへ向って、止めを刺そうとした時、張飛の鞍の腰へも、大きな石が一つあたった。馬ははねる。とたんに許※(「ころもへん+睹のつくり」