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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

吉川英治『三国志(七)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。

N1 · 挑战 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 页

青空文庫

「蜀軍は贅沢な装備と莫大な軍需を持っている。あの良い槍、良い剣、良い戟、良い甲、良い戦袍、良い馬、そしておびただしい車馬に積んできた食糧や宝は、すべて皆、汝たちに与えられる物だ。蜀軍をみなごろしにすれば、恩賞として頒けてやる。奮えや奮え」

と、士卒の蛮性を鼓舞激励していた。ところへ、快報が入った。

「隣洞の酋長、楊鋒一族が、三万余人をつれて、味方しに来た」

と、いうのである。

朶思大王は、額を叩いて、歓び躍った。

「ここが敗れれば当然、隣の銀冶洞も危ないというので加勢にやって来たか、これは俺たちの勝つ前兆だ」

早速、陣中に迎え入れると、楊鋒は五人の男の子と一家眷族を皆つれて、華々しくこれへ乗りこんで、

「やあ大王。貴洞の難は、わが洞界の難も同じこと。及ばずながらご加勢に来た。大言のようだが、おれには五人の男の子があって、それぞれ武勇を鍛えさせている。もう心配するには及ばんぜ」と、大いに気勢を添えた。

そして自慢そうに五人の息子をひきあわせたが、見ればいずれも蛮勇無双な骨柄で、豹額虎躰、猛気凛々たる者ばかりなので、

「ありがたい。軍は勝ちだ」

と、朶思大王も孟獲も、有頂天によろこんで、いよいよ大量に酒瓶を開き、肉を盤に盛り、血を杯にそそいで夜に入るまで歓呼していた。