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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
吉川英治『三国志(七)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。
N1 · 挑战 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 页
太守劉璋を中心に、
「いかに、防ぐか」の問題が、きょうも軍議され、その席上で従事鄭度は、熱弁をふるって演説した。
「国家の急なるときは、自然、防禦の力も数倍してくる。官民一致難に当るの決意をもてば、長途遠来の荊州軍など何の怖れるほどのことがあろう。いかにここまでは、彼の侵略が功を奏してきたにしても、占領下の蜀の民は、まだ心から玄徳に服しているのではない。今、巴西地方からすべての農民を追って、ことごとく、※(「さんずい+倍のつくり」、第3水準1-86-78)水以西の地方へ移してしまい、それらの部落部落には鶏一羽のこすことなく、米穀は焼きすて、田畑は刈り、水には毒を投じ、以て彼らがこれに何を求むるも、一飯の糧もないようにしておけば、おそらく彼らは百日のうちに飢餓困憊をさまようしか道を知らないであろう。――そして成都、綿竹関の二関をかため、夜となく昼となく、奇策奇襲をもって、彼を苦しめぬけば、おそらくこの冬の到来とともに、玄徳以下の大軍は絶滅を遂げるにちがいないと考える。いやそう信じる。諸公のお考え如何あるか」
たれも黙っていた。すると、太守劉璋が、
「むかしから、国王は、国をふせいで民を安んずるということは聞いておるが、まだ、民を流離させて敵を防ぐということは聞いたことがない。