Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
抛っておいても死ぬ人間であったじゃろ」
すると旅籠の手代が、
「そういえば、この牢人者は、すこし頭脳もおかしいようなあんばいで、先頃から涎を垂らして町をふらふらしておりましてな、なにかでひどく打たれたような大疵を頭のてっぺんに持っておりましたよ」
と話す。
そんなことは、どうでもいいように、婆はもう先へ歩いて道を捜していた。沢庵は、死骸の始末を旅籠の手代にたのんで、婆の後から尾いて行く。
気になるとみえ、婆は振り顧って、また毒口でも放ちたいような顔をしたが、
「――おばば、おばば」
樹蔭から小声でよぶ者の影を見て、欣しそうにそこへ走り寄った。
又八だった。
さすがに子である、逃げたのかと思っていたら、やはり老母の身を案じて様子を見ていたのかと、婆はたまらないほど、わが子の気持を欣しく買う。
沢庵の影を振向いて、母子は何かささやき合っていたが、やはり沢庵のどこかを恐れるもののように、二人は急に足を早め出し、麓のほうへ行くほど迅く走っていた。
「だめだ……あの様子では、まだなにをいって聞かせても受けつけまい。世の中から、思い違いというものだけ除いたら、ずいぶん人間の苦労は少なくなるがなあ」