Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
六
連れ立って、玄関まで歩いて来ると、母の妙秀尼は、もう先に出て二人の穿く新しい緒の草履を沓石へ揃え、その後で、長屋門を閉めかけていた下男と、門の蔭でなにか小声で立ち話をしていた。
「おそれ入ります」
光悦は、草履へ向って頭を下げながら、足を下ろした。
「では母者人、行って参ります」
すると、妙秀尼は振り顧って、
「光悦や、ちょっとお待ち」
あわてて手を振って、二人の足を止め、自分は潜り門から外へ顔を出して、何事なのか、往来を見まわしているふうだった。
六
「――なんですか?」
光悦が、不審がると、妙秀尼は門の潜りをそっと閉めて、戻って来た。
「光悦や、今のう、強いかたちをした侍衆が、三名づれで、ここの門前へ来て、不作法な言葉を吐いて行ったというが。……大事はあるまいかの」
まだ空は明るいが、黄昏れに向って出るわが子と客の身を、ふと案じるらしく、眉をひそめてそういった。
「……?」
光悦は、武蔵の顔を見た。
武蔵はすぐ、侍たちが、どういう者かを察したらしく、
「お案じなされますな、拙者へ危害を加えても、光悦どのへ害意のある者ではないと存じます」
「おとといも、そんなことがあったと誰かいうたの。