Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme

Aozora Bunko

三

なにも学問は閑でやるのじゃないから、主人に仕えながらでも修められることだし」

「なんだか、広い道へ出た気がする。――だが、困ったことが一つある……」

「なんだ。どんなことでも話してくれ、将来ともに、この武蔵にできることで、そして、おぬしの身のためになることなら、どんなことでもきっとする。――それがせめて、おぬしのおふくろを怒らせた、わしの罪の償いだから」

「いい難いなあ」

「些細な秘しごとが、つい大きな暗い陰を作る。話してしまえ……間のわるいのは一瞬だし、友達の間に、なんの羞恥むことがあるものではない」

「……じゃあいってしまうが」

「ウム」

「茶店の奥に寝ているのは、女の連れなんだ」

「女連れか」

「それも、実は……。アア、やっぱりいい難いなあ」

「男らしくない奴だ」

「武蔵、気を悪くしないでくれ。おめえも知っている女だから」

「はてな? ……誰だ一体」

「朱実だよ」

「…………」

武蔵は、はっと思った。

五条大橋で会った朱実はもう以前の真っ白な野の花ではなかった。媚汁をたたえた毒草のお甲ほどにはまだ荒んでいないまでも、危険な火を咥えて飛んでいる鳥だった。あの時、自分の胸へすがって泣きながらそれを告白もしていたし、折からその朱実と、なにか関係のありそうな若衆扮装の前髪が、キッと、橋の袂から白い眼で睨めつけていたことなども思い出さ