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Japanische Klassiker mit Furigana

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めいあん

明暗

夏目 漱石

Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme

Aozora Bunko

百一

ことに最後の攻撃は誤解その物の活動に過ぎなかった。彼には「嫂さん、嫂さん」を繰り返す妹の声がいかにも耳障りであった。むしろ自己を満足させるための行為を、ことごとく細君を満足させるために起ったものとして解釈する妹の前に、彼は尠からぬ不快を感じた。

「おれはお前の考えてるような二本棒じゃないよ」

「そりゃそうかも知れません。嫂さんから電話がかかって来ても、あたしの前じゃわざと冷淡を装って、うっちゃっておおきになるくらいですから」

こういう言葉が所嫌わずお秀の口からひょいひょい続発して来るようになった時、津田はほとんど眼前の利害を忘れるべく余儀なくされた。彼は一二度腹の中で舌打をした。

「だからこいつに電話をかけるなと、あれだけお延に注意しておいたのに」

彼は神経の亢奮を紛らす人のように、しきりに短かい口髭を引張った。しだいしだいに苦い顔をし始めた。そうしてだんだん言葉少なになった。

津田のこの態度が意外の影響をお秀に与えた。お秀は兄の弱点が自分のために一皮ずつ赤裸にされて行くので、しまいに彼は恥じ入って、黙り込むのだとばかり考えたらしく、なお猛烈に進んだ。