Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
二
けれど、そういうふうな生命の愛しようも、町人にはおのずから町人の生命の持ち方があり、侍には侍の持ち方がある。武蔵の今の場合には、当然、さむらいの道に立っていかによくこの生命の捨て際を、侍らしくするかにあることはいうまでもない。
二
さて――
これから一乗寺藪之郷下り松の目的地へ行こうとするならば、武蔵の前には、ここに三つの道筋があった。
その一つは今、佐々木小次郎の駈けて行った雲母越え叡山道。
これは最も近い。
そして一乗寺村までは、道も坦々としていて、まず本道といっていい。
すこし迂回にはなるが、田中の里から曲って高野川に沿い、大宮大原道をすすみ、修学院のほうへ出て下り松に至る――という道取りがその第二。
もう一つは、今、彼の立っている所から東へ真っ直に、志賀山越えの裏街道をとり、白河の上流から瓜生山の麓をあるいて、薬師堂の辺りからそこへ行き着くという道も選べる――
そのいずれから行くも、下り松の追分は、ちょうど谷川の合流点のような場所に当っているので、距離にしても、そう大差はない。
だがこれを――まさにこれから、そこに雲集している大軍にぶつかって行こうとする寡兵にも似ている武蔵の身にとると――兵法からみると――大差がある。