Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme

Aozora Bunko

三

その顔に、灯が冴えた。

新蔵は、油壺を持ったまま、

「何でござりますか?」

と、師の眼を見た。

「そちには聞えないか……水の音だ……石井戸の辺りに」

「オオ……人の気配が」

「今頃、何者か。……また、弟子部屋の者どもが、夜遊びに出おったのかもしれぬ」

「おおかた、そんなことかと存じますが、一応見て参りまする」

「よく、窘めておけ」

「いずれにせよ、お疲れでございましょう。先生は、おやすみなされませ」

夜が白みかけると、痛みもやみ、すやすや寝つく病人であった。新蔵は、師の肩へ、そっと寝具をかけて、裏口の戸を開けた。

見ると、石井戸の流しで、釣瓶を上げて、二人の弟子が、手や顔の血を、洗っていた。

三

北条新蔵は、それを見ると、はっとしたらしく眉をひそめた。革足袋のまま石井戸の側まで駈け出して、

「出かけたな! 貴様たちは」

と、いった。

その言葉には、あれほど止めたのに――と叱っても今は及ばないものを見た嘆息と驚きがこもっていた。

石井戸の陰には、二人が背負って来た深傷の門人が、もう一名、今にも息をひきとりそうに、呻いていた。

「あっ、新蔵殿」

手足の血を洗っていた同門の二人は、彼の姿を仰ぐと、男泣きに泣き出しそうな皺を顔に刻んで、