Japanische Klassiker mit Furigana
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めいあん
明暗
Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme
こんな所にいて、みんなに馬鹿にされるより、朝鮮か台湾に行った方がよっぽど増しだ」
彼の語気は癇走っていた。津田は急に穏やかな調子を使う必要を感じた。
「あんまりそう悲観しちゃいけないよ。年歯さえ若くって身体さえ丈夫なら、どこへ行ったって立派に成効できるじゃないか。――君が立つ前一つ送別会を開こう、君を愉快にするために」
今度は小林の方がいい返事をしなかった。津田は重ねて跋を合せる態度に出た。
「君が行ったらお金さんの結婚する時困るだろう」
小林は今まで頭のなかになかった妹の事を、はっと思い出した人のように津田を見た。
「うん、あいつも可哀相だけれども仕方がない。つまりこんなやくざな兄貴をもったのが不仕合せだと思って、諦らめて貰うんだ」
「君がいなくったって、叔父や叔母がどうかしてくれるんだろう」
「まあそんな事になるよりほかに仕方がないからな。でなければこの結婚を断って、いつまでも下女代りに、先生の宅で使って貰うんだが、――そいつはまあどっちにしたって同じようなもんだろう。それより僕はまだ先生に気の毒な事があるんだ。もし行くとなると、先生から旅費を借りなければならないからね」