Japanische Klassiker mit Furigana
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めいあん
明暗
Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme
「何が?」
叔父はようやく皿から眼を上げて、不思議そうに相手を見た。すると吉川の夫人が傍から口を出した。
「おおかた重過ぎてその外国人を潰したんでしょう」
「そんならまだ自慢になるが、みんなに変な顔をしてじろじろ見られながら、倫敦の群衆の中で、大男の肩の上へ噛りついていたんだ。行列を見るためにね」
叔父はまだ笑いもしなかった。
「何を捏造する事やら。いったいそりゃいつの話だね」
「エドワード七世の戴冠式の時さ。行列を見ようとしてマンションハウスの前に立ってたところが、日本と違って向うのものがあんまり君より背丈が高過ぎるもんだから、苦し紛れにいっしょに行った下宿の亭主に頼んで、肩車に乗せて貰ったって云うじゃないか」
「馬鹿を云っちゃいけない。そりゃ人違だ。肩車へ乗った奴はちゃんと知ってるが、僕じゃない、あの猿だ」
叔父の弁解はむしろ真面目であった。その真面目な口から猿という言葉が突然出た時、みんなは一度に笑った。
「なるほどあの猿ならよく似合うね。いくら英吉利人が大きいたって、どうも君じゃ辻褄が合わな過ぎると思ったよ。――あの猿と来たらまたずいぶん矮小だからな」