Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
めいあん
明暗
Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme
意味合を、お秀よりもよく承知していた。彼はどうしても積極的に自分から押して出なければならなかった。
「何と云って来たい」
「兄さんの方へもお父さんから何か云って来たでしょう」
「うん云って来た。そりゃ話さないでもたいていお前に解ってるだろう」
お秀は解っているともいないとも答えなかった。ただ微かに薄笑の影を締りの好い口元に寄せて見せた。それがいかにも兄に打ち勝った得意の色をほのめかすように見えるのが津田には癪だった。平生は単に妹であるという因縁ずくで、少しも自分の眼につかないお秀の器量が、こう云う時に限って、悪く彼を刺戟した。なまじい容色が十人並以上なので、この女は余計他の感情を害するのではなかろうかと思う疑惑さえ、彼にとっては一度や二度の経験ではなかった。「お前は器量望みで貰われたのを、生涯自慢にする気なんだろう」と云ってやりたい事もしばしばあった。
お秀はやがてきちりと整った眼鼻を揃えて兄に向った。
「それで兄さんはどうなすったの」
「どうもしようがないじゃないか」
「お父さんの方へは何にも云っておあげにならなかったの」
津田はしばらく黙っていた。それからさもやむをえないといった風に答えた。