Japanische Klassiker mit Furigana
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めいあん
明暗
Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme
趣味として夜寒の粥を感ずる能力を持たない彼は、秋の宵の冷たさを対照に置く薄粥の暖かさを普通の俳人以上に珍重して啜る事ができた。
療治の必要上、長い事止められていた便の疎通を計るために、彼はまた軽い下剤を飲まなければならなかった。さほど苦にもならなかった腹の中が軽くなるに従って、彼の気分もいつか軽くなった。身体の楽になった彼は、寝転ろんでただ退院の日を待つだけであった。
その日も一晩明けるとすぐに来た。彼は車を持って迎いに来たお延の顔を見るや否や云った。
「やっと帰れる事になった訳かな。まあありがたい」
「あんまりありがたくもないでしょう」
「いやありがたいよ」
「宅の方が病院よりはまだましだとおっしゃるんでしょう」
「まあその辺かも知れないがね」
津田はいつもの調子でこう云った後で、急に思い出したように付け足した。
「今度はお前の拵えてくれた袍で助かったよ。綿が新らしいせいか大変着心地が好いね」
お延は笑いながら夫を冷嘲した。
「どうなすったの。なんだか急にお世辞が旨くおなりね。だけど、違ってるのよ、あなたの鑑定は」
お延は問題の※(「糸+慍のつくり」、第3水準1-90-18)袍を畳みながら、新らしい綿ばかりを入れなかった事実を夫に白状した。