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Japanische Klassiker mit Furigana

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めいあん

明暗

夏目 漱石

Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme

Aozora Bunko

何でもかでも彼を物質上の犠牲者にし終せた上で、後からざまを見ろ、とうとう降参したじゃないかという態度に出られるのは、彼にとって忍ぶべからざる侮辱であった。いくら貧乏の幽霊で威嚇したってその手に乗るものかという彼の気慨が、自然小林の上に働らきかけた。

「それより君の方でその主意を男らしく僕に説明したらいいじゃないか」

「男らしく? ふん」と云っていったん言葉を句切った小林は、後から付け足した。

「じゃ説明してやろう。この人もこの手紙も、乃至この手紙の中味も、すべて君には無関係だ。ただし世間的に云えばだぜ、いいかね。世間的という意味をまた誤解するといけないから、ついでにそれも説明しておこう。君はこの手紙の内容に対して、俗社会にいわゆる義務というものを帯びていないのだ」

「当り前じゃないか」

「だから世間的には無関係だと僕の方でも云うんだ。しかし君の道徳観をもう少し大きくして眺めたらどうだい」

「いくら大きくしたって、金をやらなければならないという義務なんか感じやしないよ」

「そうだろう、君の事だから。しかし同情心はいくらか起るだろう」

「そりゃ起るにきまってるじゃないか」