Japanische Klassiker mit Furigana
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めいあん
明暗
Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme
「今になって考えりゃ、それもそうだがね、あの時ゃ、てんで向うの車の事なんか考えちゃいられなかったからね。日は暮れかかるしさ、寒さは身に染みるしさ。顫えちまわあね」
津田の推測はだんだんたしかになって来た。二人はその軽便の通じている線路の左右にある三カ所の温泉場のうち、どこかへ行くに違ないという鑑定さえついた。それにしてもこれから自分の身を二時間なり三時間なり委せようとするその軽便が、彼らのいう通り乱暴至極のものならば、この雨中どんな災難に会わないとも限らなかった。けれどもそこには東京ものの持って生れた誇張というものがあった。そんなに不完全なものですかと訊いてみようとしてそこに気のついた津田は、腹の中で苦笑しながら、質問をかける手数を省いた。そうして今度は清子とその軽便とを聯結して「女一人でさえ楽々往来ができる所だのに」と思いながら、面白半分にする興味本位の談話には、それぎり耳を貸さなかった。
百六十九
汽車が目的の停車場に着く少し前から、三人によって気遣われた天候がしだいに穏かになり始めた時、津田は雨の収まり際の空を眺めて、そこに忙がしそうな雲の影を認めた。