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Japanische Klassiker mit Furigana

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めいあん

明暗

夏目 漱石

Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme

Aozora Bunko

偶然から来たこの結果には、津田にとって多少の物足らなさが含まれていた。もちろん津田の方でも水を向ける用意もなかった。そんな暇のないうちに、勝さんはさっさとしゃべるだけしゃべって、洗う方を切り上げてしまった。

「どうぞごゆっくり」

こう云って出て行った勝さんの後影を見送った津田にも、もうゆっくりする必要がなかった。彼はすぐ身体を拭いて硝子戸の外へ出た。しかし濡手拭をぶら下げて、風呂場の階子段を上って、そこにある洗面所と姿見の前を通り越して、廊下を一曲り曲ったと思ったら、はたしてどこへ帰っていいのか解らなくなった。

百七十五

最初の彼はほとんど気がつかずに歩いた。これが先刻下女に案内されて通った路なのだろうかと疑う心さえ、淡い夢のように、彼の記憶を暈すだけであった。しかし廊下を踏んだ長さに比較して、なかなか自分の室らしいものの前に出られなかった時に、彼はふと立ちどまった。

「はてな、もっと後かしら。もう少し先かしら」

電灯で照らされた廊下は明るかった。どっちの方角でも行こうとすれば勝手に行かれた。けれども人の足音はどこにも聴えなかった。用事で往来をする下女の姿も見えなかった。