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にんきょうにとうりゅう

任侠二刀流

国枝 史郎

「名古屋新聞」1926(大正15)年5月24日~12月26日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 224,569 字 · 451 页

青空文庫

だが伊集院には解らないらしい。

「何んだい品物を変えるとは?」

「妾の体は小作りだよ」

「うんそうだ、白栗鼠のように」

「で、今度は大女さ」

「何んだか俺にゃア解らねえ」

「妾の体は痩せぎすだよ」

「それがまた途方もなく美しいんだが」

「肥えている女に変えなければならない」

「やっぱり俺に解らない」

「妾は荒んだ女だよ」

「ごもっともだね、御意の通り」

「清浄な女に変えるのさ」

「ふうん、少しずつ解って来た」

「妾は都会的の女だよ」

「俺もそう思う、都会的の婦人だ」

「山の乙女に変えるのさ」

「ははあなるほど! かなり解った」

「そういう女をかっぱらって来て、妾の変りに素っ裸体にし、ウネウネとここでのたくらせたら、大概大将だってゆきつくだろう」

「人身御供を取り変えるってわけか」

「妾の体に余ったのだから、他の体で間に合わせようってのさ」

「なるほどなあ、いいかもしれねえ」

「一日二晩秘術を尽くし、妾も随分働いたが、それで陥落しないんだから、これから働いても無駄ってものさ。免疫になっているらしい。慣れっこになっているらしい。そこで今度は反対の女で、もう一度膏汗を絞らせるんだね。いかな強情でも参るだろう。