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にんきょうにとうりゅう

任侠二刀流

国枝 史郎

「名古屋新聞」1926(大正15)年5月24日~12月26日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 224,569 字 · 451 页

青空文庫

奇怪を極わめた捕り物道具

と一散走り、追っかけながら前を見た。浜路とピッタリ背中を合わせ、萩原仁右衛門構えている。それを包んだ敵の数、十人近く思われたが、生け擒りする気か切って行かぬ。

そこへ馳せつけた宗三郎、

「退け!」と一喝、気勢を示し、一刀に切った敵の一人!

既に手練は知れている、山影宗三郎と見て取るや、気遅れしたか敵の勢、バラバラと露路へ逃げ込んだ。

「お怪我は?」

「幸い!」

「浜路殿は?」

「妾も無事でございます」

「もう七ツ寺、眼の前でござる! もう一息! いざご一緒に!」

三人声を掛け合わせ、走り出した時耳を貫きガ――ッと鳴り渡った烏笛! それを合図に八方から、群立ち騒ぐ烏の音、物凄じく聞こえて来た。とムラムラと露路口から、真っ黒の物が現われたが、円陣を作って三人を、グルグルと取り巻いたものである。

ヌッと進み出た一つの人影、

「オイ」と嘲笑を響かせた、「もういけないよ、お三人さん! 烏組のお紋だ! 捕った捕った!」

次第に円陣を縮めて来た。

奇怪を極わめた捕り物道具

烏組のお紋部下を引き連れ、宗三郎、仁右衛門、浜路を包み、その円陣を縮めて来た。

「しまった」と思ったが宗三郎、ナニ大丈夫だ、トヤ駕籠が来ない、たかが女だ、蹴破ってやれ! しかし用心が肝要である、そこで呼ばわったものである。