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にんきょうにとうりゅう

任侠二刀流

国枝 史郎

「名古屋新聞」1926(大正15)年5月24日~12月26日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 224,569 字 · 451 页

青空文庫

すっかり恐怖した二人の近習、責任感も伴って、クルクルクルクル探し廻ったが、かいくれ宗春のおり場所が知れぬ。と云って探さないではいられない。少くもいかにも忙しそうに、駈け廻っていなければ責められる。

ふとその時気が付いたのは「二方遁がれ」の間道のことで、もしもおったら儲け物、たとえいなくとも元々だ! で、同輩もろともに、間道さがしに取りかかったのであった。

この思い付きは非常によかった。間道を真っ直ぐに走りさえすれば、「二方遁がれ」の御器所口の、宗春のいる岩部屋の、右の戸口へ出られるからで、そこの扉さえ踏み破ったなら、自然宗春を目付ける事が出来る。しかし現在の二人には、そんな幸運は想像もされず、不安ばかりに捉えられていた。

「殿のお行方知れぬ以上、拙者はどうでも切腹致す」こう呻いたのは三弥である。

「同じでござる、拙者も切腹!」こう応じたのは山路紋右衛門。

走る走るひた走る! 間もなく行きつくに相違あるまい!

さてこの頃宗三郎とお絹は、宗春と浜路の籠っている、その岩部屋の左手の戸口、その外側に立ち縮みながら、内の様子を窺っていた。

鍵穴から覗いた宗三郎が、