轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
「名古屋新聞」1926(大正15)年5月24日~12月26日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 224,569 字 · 451 页
「薬草道人様とおっしゃるのは、どういうお方でございますか?」
「ああそうそう、あなたへは、道人様の身の上について、まだお話ししませんでしたな。拙者の想像に間違いなければ、あの仁こそ甲斐の徳本一百歳を過ごした医聖でござる。そうして拙者の主命たるや、その医聖甲斐の徳本を、大切に守護して江戸へ入れることで、そのため御岳へ参ったのでござるが、まだ発見いたさぬ先に、道人様には名古屋下り、で拙者も後を追い、名古屋へ入り込んだというものでござる」
「そういう立派なお方なら、宗春様をお助けしたのも、悪意からではございますまい。では妾も道人様を目付け、宗春様を妾の手へ、お返ししていただくことに致しましょう」
道人探しの目的は、こうして期せずして一致したが、何をするにもこの内牢から、逃げ出さなければならなかった。
「お絹殿、思案はござらぬかな?」
「さあ」と云ったがお絹にも、よい考えがないらしい。「同じ忍び衆の烏組の連中、おそらく牢を取り巻いて、守っていることでございましょう。これが苦手でございます。こっちで巧らむことぐらいは、先方で見抜いてしまいますので、どうでもこれは外界からの手を、お借りしなければなりませんが、誰か助け手はないものかしら?」