轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

にんきょうにとうりゅう

任侠二刀流

国枝 史郎

「名古屋新聞」1926(大正15)年5月24日~12月26日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 224,569 字 · 451 页

青空文庫

その燈火の光を四方から浴び、無駄話している荻野八重梅、年の頃は二十六七、あぶらの乗った年増盛り、どっちかと云うと痩せぎすだが、それだけ抜けるほど姿がいい。自分の役が終えたところ、楽屋風呂へはいってとのこを落とし、鬘下地の髪を直し、荒い弁慶の楽屋着に、紫のしごきをグルグル巻き、ちょっとつかれたというように、立てた膝をフラフラ動かしている。削り落とした眉の跡が青く、細い切れ長のケンのある眼、隈取ったら大きく見え、また凄くも見えそうである。高すぎるほど高い鼻、しかもそいつが肉薄と来ている。そうして小鼻がちんまりとしている。さぞ舞台でも横顔が、際立って美しい事だろう。口は薄手で大型である。で何んとなく刻薄に見える。

その前に坐っている女弟子の小仙、十八九でお喋舌りらしい女、

「お師匠さん、お師匠さん、お師匠さん!」とのべつにさっきからお師匠さんばかり云い、何かをねだっているらしい。

「ねえ、お師匠さん、お奢りなさいよ、毎晩毎晩逢いつづけ、うらやましいったらありゃアしない。いずれ今夜もいらっしゃるんでしょう、知っていますよ、例の茶屋へ。妾こっそりつけて行き、隣りの部屋から覗こうかしら。