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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
「名古屋新聞」1926(大正15)年5月24日~12月26日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 224,569 字 · 451 页
いずれひっ付いたり食っついたり、蒸し熱いことでござんしょうよ。……ああ詰まらない詰まらない、妾にゃアそんな人ありゃアしない。……お師匠さんにゃア敵わないが、年は若いし女芸人、一人ぐらい出来ないものかしら? 取り持ってくださいよ、ネーお師匠さん。お侍さんでも結構だし、商人衆だってようござんす。金持ちの質屋の若旦那、ようござんすわねえ、そういう人も。……でも、こんなのは厭ですよ、お菰に、三助に、下足番に、聾者に、盲目に、吝嗇漢に。……」
「うるさいねえ」と荻野八重梅、煙草の煙りを輪に吹いたが、さもおかしそうに云ったものである。「オイオイ何を云うんだい、妾が知らないと思ってさ、いい人を取りもてもないもんだ、お前木戸番の甚公と、ワケがあるっていうじゃアないか。……駄目だよ駄目だよ、そんな顔をしても! タネはちゃあアんとあがっているんだからね。だが妾アそれを聞いた時、感心な子だと思ったよ。甚公めいつも貧乏くさい、あんな風態はしているが、あれで小金をためているそうだよ。そいつへお前目を付けたんだろう? 当世だねえ、本当に偉いよ。……だがお前さんは今年十九、甚公と来た日にゃア五十七、ウフ随分年は違う。